PET検診の弱点を知る


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PET検診の弱点を知る

PET検診の限界

簡単に検査が完了し人体へのストレスが少なく何かと利点の多いPET検診ですが、まだまだ改善すべき点が存在しているのも事実です。がんの早期発見を可能にしたPET検診、残念ながら全てのがん細胞を発見することができません。PET検診には限界があります。PET検診の特性上、特定の場所にあるがんを発見することが困難だと言われています。そのような場合、PET検診、PET-CTの他にも違う検査方法を併用してがんを発見することが必要となります。つまり、PET検診にはがんを発見するにあたり得意ながんと不得意ながんが存在するのです。

PETと併用して行う検査内容
PETと併用して行う検査内容

発見が困難な場所

■胃や食道などの消化器官粘膜に発症する早期のがん
■小さながん細胞が散らばって存在する場合
■糖分を必要としないがん細胞
…例外としてこのようながん細胞もあり、FDG検査薬では発見できない場合があります。
■体内で炎症を起こしている部分
…FDGが炎症部分に集まりやすいため、がんとの区別が困難です。
■正常時でもFDGが集まる臓器(泌尿器科系・脳・心臓・肝臓)
…脳や心臓はもともと多くの糖を消費する。
…投与した薬が尿として排出される経路である腎臓、尿道、膀胱は発見しにくい。
■肝細胞がん、胆道がん、白血病など
…これらの病状に対してPET検診は有効性が低いといわれています。
■糖尿病の患者
…FDGが筋肉に集中しやすいため、検査の精度が落ちる場合があります。
また、血糖値が150~200mg/dlを超えている患者は検査後、がんの診断が困難です。
■一部の肺がん、甲状腺がん、胃がん
…PET検診の得意とするこれらのがんも全て発見されるとは限らず、FDGを用いても見つからないケースがあります。
■妊婦、または妊娠の疑いがある方はPET検診を受けることができません。

PET検診「得意ながん」と「苦手ながん」
PET検診「得意ながん」と「苦手ながん」


PET-CTの実用性

PET検診だけの検査では限界があります。特定の器官や臓器においては広い範囲にFDGの反応が出てしまい正常な細胞とがん細胞の区別が困難な場合があります。また、反応が出ない場合もあります。これらの問題を解決するにはCT、MRI、超音波、生化学、内視鏡など他の検査を併用することで精密ながん検診が可能となります。

その先駆けとして開発された検査方法がPET-CTです。従来のPET検診にCT検査を組み合わせたPET-CTは、より精密ながん検診を実現しました。しかし、万が一に備えて超音波、生化学、内視鏡などの検査を併用して正確ながん検診を受けることが一番の得策です。

PET-CTの実用性
PET-CTの実用性