国内における日本人の死亡原因の1位が「がん」であることは皆さん、ご存知でしょうか。1981年以来、国内における「がん」の死亡率は低減することなく上がる一方です。その次に心臓病、3位が脳卒中となっています。
死因№1である「がん」について細かく分類すると、その中でも最も多い症状が「肺がん」です。また、肺がん、胃がんについては、男女共にワースト3に入っています。がんは年齢とともに増加し、特に40歳を超えた男女に多く見受けられる病気です。70歳を過ぎると3人から4人に1人が「がん患者」と言われています。
(男性) | |
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1位 | 肺がん |
2位 | 胃がん |
3位 | 肝臓がん |
4位 | 大腸がん |
5位 | 膵臓がん |
(女性) | |
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1位 | 胃がん |
2位 | 大腸がん |
3位 | 肺がん |
4位 | 乳がん |
5位 | 肝臓がん |
がんの予防、発見、治療に欠かすことの出来ない検査が「がんドック」、もしくは「がん検診」です。従来のがん検診であれば脳、肺、大腸、乳、子宮など全身をレントゲンや胃カメラ、CTやエコーなどの医療機器で検査していました。この手法での検診は、検査にかかる期間は3日ほどで体へのストレスも多く、検診に苦痛を感じる方も少なくありませんでした。
しかし、近年、がん検診の革命的存在として現れたのが「PET」、「PET-CT」です。従来の検診に比べると体への負担も少なく、さらに検査時間も短くなるということで注目を集めています。もちろん有用性や効果についても評価の高い検診方法です。最近ではPET検診を基本とするがん検診が当たり前となりつつあり、がんの早期発見には欠かすことの出来ない手段として多くの医療機関で使用されています。
短時間で効果的に体へのストレスも無くがん検診が行えるPET検診ですが、解釈の違い誤った情報のせいで誤解されてしまうことも珍しくありません。例えば、PET検診に用いるPET機器は、微弱の放射線を放出しています。しかし、人体に悪影響を及ぼす範囲の放射線量ではなく、人間が1年間に浴びる自然の放射線と同じ量です。
ですが、放射線と聞いて「危ない」「悪影響」といった解釈をしてしまい、PETによるがん検診を拒否する方もいらっしゃいます。PET検診について正しく理解することで、従来までの検診とは違った有用性のある「がん検診」を受けることが可能となります。自分の体のためにも、またはこれから検診を受けようと考えている周りの人のためにも、PET検診について正しく理解してより良い健康管理に努めましょう。